[東京 9日 ロイター] 日本の企業戦士たちは十分な睡眠時間を得られていない。しかしそれが国に数百億ドルの経済損失を与えているという。働きすぎで死亡してしまうことを意味する、「過労死」という言葉を世に送り出した日本では、社員が仕事中に眠ってしまわないように努力していることや、睡眠不足で疲れた社員が遅刻することによって、年間約3兆5000億円の経済損失となっていることが調査により明らかとなった。調査の指揮を取った日本大学医学部の内山真教授は、「今回の調査の目的は、日本人の不眠問題が深刻なものだと人々に注意を促すことです。勤務中に睡魔に襲われる人すべてが、仕事を怠けているわけではありません。上司に『眠い』などとはなかなか言えませんが、この問題を放置することにより、多大な損失が発生する可能性があります」と話している。日本は文化的に同僚より先に帰宅することを避けるため、結果的に残業が長時間に及ぶこともある。このため、満員の通勤電車では立ったまま居眠りしているサラリーマンの姿が見受けられる。調査は化学企業を対象に、1カ月間の睡眠、および勤務習慣におけるアンケート調査を行い、約3075名からの回答を得て発表されたものだ。37%の従業員が「睡眠不足」と答えており、十分眠れなかったことにより仕事の効率が40%程度落ち込んでいるとしている。また、仕事で失敗したり、遅刻してしまったりすることが睡眠上の問題により増えることも分かった。しかし内山教授は不眠問題について、「日本だけの問題だと思われるかもしれない。しかし決してそうではない。世界的な問題なのです」と指摘する。